- ホーム
- 岡田商店の思い
村の381人の生産者と共に作り続ける乾しいたけ
岡田商店は宮崎県の北部、美郷町という、
原木椎茸の大産地に乾椎茸の問屋として大正元年に創業しました。
創業から100年以上。
親子3代にわたり、お付き合いのある生産者の方もいらっしゃいます。
村の381人の生産者と共に、自然の循環の中で育つ乾しいたけを守ってきました。
宮崎の清流・太陽・木々が育む椎茸は循環する自然の恵みです
原木椎茸は自然にあるクヌギやナラの木を原木として育ちます。
どんぐりから芽を出し、15〜20年もの長い時間をかけてクヌギやナラの木は成長します。生産者は、その木で椎茸の生えてくるホダ木を作り、椎茸の種を植え付けるのです。クヌギやナラは生命力が強く、人間が伐採してもその横からまた芽が出て生長します。
切っても芽が出て、それが生長していくので、人間の手で植林することはほとんどありません。
クヌギやナラの木の根っこは地中深く、しっかりと張り巡らされています。それが自然の濾過器となり豊かな清流を育み、そこに住む私たちを自然災害から守ってくれているのです。
椎茸の種は植え付けてから丸2年間、じっくりじっくり、ホダ木の養分を糧にして、クヌギやナラの強い生命力を吸い取りながら菌は生長します。やがて2年後、その菌は椎茸となって出てきます。
椎茸を採り終ったホダ木は養分を吸い取られ、朽ち果てて、ボロボロと手で崩れるほどになっています。その朽ちたホダ木を人間の手で、クヌギやナラの林に還し、またそこにあるクヌギやナラの養分にするのです。
原木椎茸はその間、肥料や農薬をまくことは全くありません。この様にして育つ原木椎茸は、自然の循環の一役をかっており、人間がうまくその循環の一部となり、自然と共生して生まれるきのこなのです。
乾しいたけのうまみと古の知恵
乾しいたけのうまみは生椎茸に含まれておらず、生椎茸を乾燥させることによって初めて生まれます。たんぱく質の少なかった昔は、椎茸を乾燥させる事によりうまみを補ってきました。また、カルシウムを効率よく摂るためにも乾しいたけは必要でした(カルシウムの吸収に必要なビタミンDが乾燥させることにより生まれます)椎茸を乾燥させることは、サプリも冷蔵庫もうまみ食材もない昔の人の知恵でもありました。
自然の循環から生まれるゆたかな味わいを、未来にもずっと伝えたい
近年、機械化や生産の効率化が進められてきている中、原木乾しいたけ作りは途方も無い時間と手間がかかります。機械化・工場化することで品質管理も時間をかけずに簡単にできるかもしれません。でも原木から育つ椎茸のほのかな木々の香りや、あの独特の味わいと風味はをつくりだすことはできません。そして、ゆたかな日本の食文化までがどこか味気なくなってしまうと思うのです。自然由来のうまみを後世に伝えたい。自然の循環と人間の共存を守りたい。
原木で育った乾しいたけの「おだし」を口にした時にひろがるゆたかな味わい、だしを引く時のあのゆたかな気持ちと時間を未来へと伝えて行くためにも、これからも昔ながらの製法にこだわって乾しいたけををつくってまいります。